ドバイのビーチリゾートJumeirah Brach Residenceの和風フュージョンレストラン「Ramusake」で、11月14日・15日、京都の着物作家西村仙寿さんの個展「Kimono Night」が開催された。
西村さんは京都で染職人として45年のキャリアを誇る着物作家。陶器の質感を着物に再現したいと、改良を重ね独自の陶流染を確立した。何層にも重なった色合いが特徴の着物を制作し、世界遺産の仁和寺など日本国内で個展を開催してきた。
Ramusakeは、今年6月にオープンした和食フュージョンレストラン。月桂冠(げっけいかん)や福寿、李白といった日本酒や、響や山崎、余市などのウイスキーを扱い、モダンなスタイルで和風のテイストを提供する。
展示した着物は、09年制作の「水面」「風」「宇宙」と最新作の「碧炎(あおのほのお)」に、モデルが着用した「滝」の5点と、陶流染の技法を活用したアラブ女性の伝統衣装アバヤなど。中でも「宇宙」は青と紫を中心とした鮮やかな色合いでひときわ目を引き、無限に広がるエネルギーと静寂を表現した作品に来場者は目を奪われた。
来場していた英国人の女性は「着物の存在はもちろん知っていたが、このような美しい色合いのものは初めて見た。貴重なものを見られてうれしい」と感想を述べた。
西村さんは「国際都市であるドバイで個展ができ大変うれしく思う。ドバイを足掛かりに、日本の着物の美しさとともに、陶流染の独特な技法を多くの人に今後も見ていただきたい」と話した。