アラブ首長国連邦(U.A.E)は観光産業の開発、治安の良さ、航空輸送のインフラ整備など旅行客を誘致するための効果的なマーケティングにより現在、観光客に最も優しい国の一つとして注目を集めている。
天然資源を持たないU.A.Eは、「旅行・観光競争力」部門でビジネスや旅行者の両方を誘致するためのユニークな環境を構築していることを「世界経済フォーラム2015」で報告。マレーシア、タイ、インド、ルクセンブルク、デンマーク、ブラジル、韓国、ロシア、トルコなどを含む周辺の主要な観光誘致国よりも魅力的であると評価された。
2020年の万博開催後は、ドバイルーブル美術館とグッゲンハイムの建設のため投資が集まり、旅行・観光産業の発展を後押しする。アフリカ、中東、アジアにヨーロッパ人のゲートウエーとして位置付けられ、世界的に有名な航空輸送のインフラによってサポートされている。
結果として、2014年度の外国人観光客は1320万人となり、今後10年間で2000万人まで増える見込みだ。他の中東での政情不安の影響を受けないU.A.Eは、「安全な場所」としての恩恵を受けており、モバイルネットワーク部門、旅行と観光開発の持続可能性部門、道路環境の整備部門、大手レンタカー会社の部門などの8つの部門でU.A.Eはナンバーワンの評価を受けた。
世界経済フォーラムの調査によると、2014年度の旅行・観光産業の絶対値は153.8億ドルであり、GDPの4%を構成し、今後3.1%の成長を見込む。2014年度は旅行・観光業界の雇用率は約5.3%(29万1,000人)だった。
ビジネス・モニター・インターナショナル社の予測によると、U.A.Eの観光産業は観光客数で前年比7.6%増、観光収入で同9.3%増を見込む。今年の総観光収入は200億ドルを超える見込みで、インバウンドとアウトバウンドの旅行者数はそれぞれ1647万人と264万人に達する見込みだ。日本政府観光局による、2014年に日本を訪れた外国人観光客の人数1341万人をも上回る。