6月18日から、イスラム教徒にとって神聖な月であるラマダンが始まり、ドバイ各所でアート、フード、イスラム教学者の講演などからなる「ドバイ・ラマダン・フォーラム」が開かれている。
2002年にドバイ観光通商マーケティング局によって立ち上げられた同フォーラム。毎年多くの観光客が訪れるドバイで、同フォーラムを通じてイスラム教の価値観や慣習、文化を維持していく一方、さまざまな発信を行うことによりドバイの地位向上に貢献することが狙い。
同フォーラムではさまざまなイベントを企画している。ラマダン期間中を通じて行うのは、労働者4000人分のイフタール(日没後初めてとる食事)の提供。労働者収容施設のあるムハイスナとホール・アル・アンズの2カ所に設けられたテントでは、ドバイの開発を支える外国からの移住労働者に対して、イフタールを無償で提供している。
ドバイ世界貿易センターでは、イスラム教徒ではない人たちにもイフタールを提供し、クイズやプレゼント企画と共に、ラマダンをより身近に感じられるイベントとなっている。非イスラム教徒向けイフタールは、事前予約が必要。
6月24日から7月5日までの13日間は、世界各地のイスラム教説法者や学者などを招いた講演会が行われている。日々の断食後の食事(イフタール)が終了した後、夜10時半から夜中1時ごろまでレクチャーが続き、イスラム教の教義から21世紀のイスラム教についてなど、幅広く多言語で講義が行われる。
レクチャーの会場となるドバイ世界貿易センターのコンベンションセンターでは、特設会場を設け、レクチャーとレクチャーに続いて行われる「くじ」を目当てに集まった人々で、毎晩にぎわいを見せている。くじの商品は、聖地メッカへの巡礼ツアーや、最新のスマートフォンやiPadなど。
年間7000万人以上が訪れ、世界で最も集客を誇る観光地というドバイ・モールでは、6月22日から7月6日まで、伝統的なイスラム・アートであるカリグラフィー展を開催している。
メーンゲートをくぐった広間に建てられた特設会場では、世界各地の28人のアーティストが50の作品を展示している。伝統的なデザインのものから、現代風の路上アートのようなポップなものまで、幅広い作品が展示され、ドバイ在住者のみならず観光客の注目を集めている。
同フォーラムの提供するイベントは、それぞれ期間が設けられている。今年のラマダンは、7月17日までの予定(正式な日は、月の満ち欠けを見て直前に判断される)。