運河を中心に造られた高級住宅街および観光地区であるドバイ・マリーナ地区を中心に、11キロを走行する路面電車である「ドバイ・トラム(Dubai Tram)」が11月11日、運航開始から1周年を迎え、利用者の満足度も高い水準となっている。
就航から過去1年間の乗客は約370万人を記録。ビーチ沿いのリゾートホテルが屹立(きつりつ)するエリアを通る電車であることから、日々の足として使う人間は6%にとどまり、大半は観光客の利用であった。
ドバイ・トラムには、路面電車としては世界で初めての試みがさまざま搭載されている。例えば、11ある駅は全て冷房管理がなされていたり、プラットホームのドアはスクリーンになっていたりする。
セキュリティーの管理にも余念がない。11の車両と11の駅に合計1000台を超える監視カメラがついており、各駅には警察官が常駐している。
ドバイ・トラムを運航するドバイ道路交通局は、1年間を通じた時間通りの運航状況は96.4%を記録し、利用者の満足度は98%に達するとし、安全面も含めたサービス提供が適切に行われていると自信を持つ。
ドバイ・トラムは交通量の多い道路を横切ることも多くあるため、車両によるトラムの妨害には厳しい罰則規定が設けられている。ドバイ・トラムの通行のため信号が変わった際に、赤信号で路上に飛び出した場合は、2,000ディルハム(約6万2,000円)から5,000ディルハム(約15万5,000円)の罰金が、車両への接触事故には3万ディルハム(約93万円)の罰金がそれぞれ科される。
今年10月末までの8カ月で、ドバイ・トラムに関わる違反数は15万件を記録した。このうちの大半は、歩行者の立ち入り禁止エリアへの立ち入りによるもので、268件は車による信号無視となっている。