アブダビを拠点とするアルサ・フード・アンド・レストラン・マネージメント社(Alsa Food & Restaurant Management LLC)は10月26日、ドバイのボックス・パークに日本式パン店「御門ベーカリー(Mikado Bakery)」をオープンし、日本人学校に無料で振る舞った。
アルサ社は、昨年末アブダビに「御門カフェ(Mikado Cafe)」をオープンしており、御門の名を冠した飲食店としては2店舗目。高級和食店「ノブ(Nobu)」に在籍したシェフ、ファビオ・ナカザトさんを擁し、すしや天ぷらなどの和食を提供する本格和食レストランの御門カフェとは違い、パンを主体とした軽食と日本式パンの販売がメーンとなる。
入り口を入ると目に飛び込むのは、ショーケースに整然と陳列された日本のパンの数々。パンの表面に、カスタードクリームの曲線で描かれたカエルの笑顔が浮かぶクリームパンや、チョコレートがぎっしり詰まったチョココロネ、七面鳥のハムを使ったエピなど、日本ではおなじみのパンが並んでいる。
近年、中東地域でも抹茶の認知度が高まっていることもあり、抹茶を使った和風のパンも。抹茶クリームパンや、抹茶メロンパンといった定番商品に抹茶味を加えたアレンジを施す。現地の食材デーツ(ナツメヤシの実)と緑茶を合わせた、現地人好みのパンも作る。
これらのパンを作るのは、ジョエル・ロブションなど名店で経験を積んだパン職人のヨシオ・ニシヤマさん。店舗マネジャーのイリーナさんは「ニシヤマさんの職人技と細部にわたるこだわりが、気候の異なるドバイでも日本のパンの味を実現できている要因」と話す。
カフェでは、日本式のパンに合うように厳選した日本茶を取りそろえる。パンにも使われている抹茶だけでなく、2グレードの用意がある煎茶を始め、番茶やほうじ茶、茎茶を用意。芳醇(ほうじゅん)な香りを楽しめるよう、いずれも重厚な急須と湯飲みで提供する。
UAEに18店舗を構える日本の菓子店ヨックモックのディストリビュータである「アルサ・ライフスタイル・アンド・アパレル(Alsa Lifestyle & Apparel)」は、同じグループ企業。イリーナさんは「オーナーは日本が大好き」と述べており、11月11日にはドバイの日本人学校の生徒に無料でパンを振る舞った。
ドバイ日本人学校に通う平瀬杏菜さん(7)は「アンパンを食べたけど、日本と同じ味でおいしかった。また食べたい」と笑顔で答えた。
営業時間は10時~24時。