ドバイの7つ星ホテル「ブルジュ・アル・アラブ(Burj Al Arab)」の目の前のビーチで6月16日、リハビリを終えた100頭のウミガメが海に帰された。最年長は、「Beau」と名付けられた45歳のウミガメだった。
放流が行われた同日は「世界ウミガメの日(World Sea Turtle Day)」。ウミガメの保護や研究を目的とした国際NGO「Sea Turtle Conservancy」の創設者Archie Carr博士の誕生日に由来する。
今回の放流は、ブルジュ・アル・アラブや、隣接する高級ビーチリゾート「マディナ・ジュメイラ(Madinat Jumeirah)」を運営するJumeirah Groupが中心となって行うイニシアチブ「ドバイ・カメ・リハビリ・プロジェクト(The Dubai Turtle Rehabilitation Project)」によるもの。同プロジェクトでは、2004年の活動開始以来、1000頭を超えるカメのリハビリと自然への帰還に貢献してきた。
今年海に帰ったウミガメ100頭のうち、6頭は体重100キロを超える大型のウミガメで、Beauもその1頭。種類はほとんどがタイマイで、わずかにアカウミガメも含まれていた。
ドバイ英国人学校(Dubai British School)の生徒たちが招かれた今回の放流会。ブルジュ・アル・アラブ内水族館のオペレーション・マネジャーのウォーレン・バーバーストックさんは、「子どもたちにとって貴重な機会」だと語った。
放流されたウミガメのいくつかには、衛生管理が可能なタグが付けられ、今後、生態調査に利用される。過去には9カ月で8600キロを泳いだ例も確認されており、移動パターンや環境選択などのデータを収集することでウミガメ保護に活用している。