アラブの女性用伝統衣装であるアバヤに日本の着物を取り入れ独自のスタイルを提供する「Chi-ka Collection」で3月13日、着物に施された伝統色に焦点を当てたコレクション「Colour Code」が始まった。
コレクションのテーマを「全ての文化には、独自の色に対する感覚が備わっており、日本も例外ではない」とし、古くから着物に用いられた伝統色を配した着物の数々を並べる。赤や桃色、紫などの色についての日本的な意味合いも紹介し、特有の色彩感覚を伝える。
桃色については「春の色」とし、男性の恋心を表すうつろいの色や、甘い色合いを指し女心をも表現すると説明。さらに、桃色から派生し微妙に異なる4色の桃色について詳細な説明が書かれている。
初日はドバイ在住日本人による抹茶の点前を披露するセレモニーが2回に分けて行われ、コレクションの幕開けに華を添えた。点前を初めて見たという女性は「動作の美しさも含めて、日本の文化を見た」と感激していた。
同コレクションのファウンダーの一人、ネマニヤさんは「今回のコレクションは、伝統とモダンを融合させたもの。日本文化に初めて触れる人もおり、異文化をつなぐ橋となれば」とコレクションの意義を語る。
同コレクションで取り扱う着物アバヤは全て日本製で、職人による手作りのもの。振り袖や付け下げ、家紋入りの留め袖など種類もさまざま。共同ファウンダーのニナさんは、同コレクションの着物を着て、ファッション誌でベスト・ドレッサー賞を受賞している。