ドバイのアート・デザイン発信地区ドバイ・デザイン・ディストリクト(d3)で4月1日、高畑勲監督・スタジオジブリ製作のアニメーション映画「かぐや姫の物語」が上演され、来場した約200人の観客が楽しんだ。
雨の影響で3月25日から延期されての開催となった今回の上演は、ドバイを中心に自主製作映画などを上映するプラットフォーム「シネマ・アキル(Cinema Akil)」によるイベント。
d3の屋外スペースには特設スクリーンが建てられ、石の階段にはビーズクッションが置かれた。会場入り口にはBazaar Cafeのケータリングが出展し、ポップコーンやソフトドリンク、クレープなどを販売した。
季節の変わり目で暑さの増してきたドバイ。この日も日の暮れる18時30分からの上演ながら、気温は30度を超えていた。来場者には、シネマ・アキルから映画の1シーンを切り取ったうちわが配られた。
竹から出てきたばかりのかぐや姫の絵が描かれた同うちわ。着物の部分がくりぬいてあり、布や絵をかざして写真を撮れば思い思いの着物の柄が作れるという遊び心が施されていた。
来場者は予定を大幅に上回り、急きょ椅子を追加。日本人来場者は全体の1割に満たないほどで、伝統衣装に身を包んだ現地人からインド人や欧米の親子まで幅広い層が会場を訪れた。
平安時代初期に作られた日本最後の物語と言われる竹取物語を原作とする本作。物語の過程で、かぐや姫が成人貴族の化粧であるお歯黒と引眉を施した場面では、会場から「Oh My God」と驚きの声が上がった。
観客の女性は「現代の日本は知っていても、昔の文化や風習を知る機会はいままでなかった。とても面白かったし、勉強になった」と感想を語った。