ドバイに隣接する首長国シャルジャの歴史地区である「ハート・オブ・シャルジャ(heart of sharjah)で4月8日から、「シャルジャ・ヘリテージ・デイズ(Sharjah Heritage Days)」が開催された。
同イベントはシャルジャの文化庁にあたる、シャルジャ・インスティチュート・オブ・ヘリテージ(Sharjah Institute Of Heritage)が主催、今年で16回目を迎える。
会場内ではフルーツや飲み物、駄菓子やひよこなどを販売する露店が立ち並び、日本の夏祭りをほうふつとさせるエリアがある一方で、かつてのUAEの生活手段であった農業と漁業の様子を細部まで再現したエリアも併設された。家族で楽しみながら、歴史や文化を学べるイベントがコンセプトとなっている。
農業のエリアではかつて盛んであったナツメヤシの木の繊維を利用してロープを作る様子や、そのロープを輪っか状にしたものでナツメヤシの木に登るパフォーマンスも行われた。ナツメヤシの木の栽培には欠かせない、当時の灌漑(かんがい)施設も再現。牛に先に袋がついたひもをくくり付け、牛が前に進むことで井戸から水をくみ、石造りの水路に水を流す様子も実演し、当時の様子を知らない子ども達が興味深そうに見学する姿もみられた。
UAE独自の文化を紹介するほかにも31の国が参加、展示ブースやカフェなどで自国の文化を紹介する。
今回UAE在住20年、シャルジャ・インスティチュート・オブ・ヘリテージの研究員として勤務する中尾さんが日本ブースを企画、初めて本イベントへの日本の参加が実現した。「このイベントはシャルジャで行われるイベントの中でも、最も現地人の参加が多い。日本文化を現地人に知ってもらう絶好の機会になると思い、企画した」と中尾さんは話す。
日本ブースでは書道と三味線、篠笛、唄、舞踊のパフォーマンスを3日間にわたりステージで行なった。書道は音楽とのコラボレーションをしながら力強い書を書くライブパフォーマンスを海外や日本で多数行っている、書家の小林龍人さんが担当。小林さんは今回が3度目のUAEでのパフォーマンスとなり、過去にはセブンイレブンのドバイ初出店のレセプションイベントなどでもパフォーマンスを行っている。
実演の際には60人ほどの現地人の来場者が足を止め、書道のライブパフォーマンスに見入った。「機会があれば日本文化を広めるために、またUAEの地で書道のパフォーマンスを行いたい」と小林さんは話す。
開催時間は16時~22時(金曜・土曜は23時まで)。21日まで開催。