アラブ首長国連邦の大手開発デベロッパーのナキール社が、2020年にドバイ・ワールド・セントラル地区で開催される万国博覧会に向け、ドバイの主要スポットをつなぐ無人全自動鉄道のドバイメトロを15キロ路線延長することを計画している。
ドバイメトロは三菱商事、三菱重工業、大林組、鹿島建設、トルコのYapi Merkezi社の計5企業によるジョイントベンチャーによりドバイ政府から受注し、2009年に世界最長無人運転鉄道としてデビューした。この実績を武器に、今年の2月には近隣国であるカタールの首都ドーハの鉄道システムを三菱商事や三菱重工、近畿車両など5社の企業連合が約4,000億円で受注した。
5つ星ホテルの内装を取り入れ、日本のグリーン車に相当するゴールドクラス車両と、朝夕の通勤時間帯には女性・子ども専用車両も設けている。
同社の開発により急成長中のジュメイラ周辺(浜辺に沿った居住エリア)で生活をしている11万人以上の住人にとっては、交通の利便性が上がり、不動産価値も上昇すると期待されている。
同社の広報担当者は「路線を延長することは、この地域だけでなく、新しいドバイとして知られている広範囲のエリアにとって大きな後押しとなる。住人にとっては車に代わる交通手段となり、不動産物件の価値も上がることが期待されるため、土地や建物を購入した投資家にとってもプラスになる」と話す。
現在、ドバイメトロはレッドライン(29駅、全長52.1キロ)と、グリーンライン(20駅、22.5キロ)の2路線。レッドラインは、世界最長の全自動無人運転の鉄道システムとしてギネスブックに登録されている。延長区間には7つの駅が建設予定で、近日中での着工開始が見込まれている。