アラブ首長国連邦の国際的な開発業者クレインディーストグループが現在、ハートオブヨーロッパプロジェクト(Heart of Europe)の一環としてドバイに42軒の「海中ヴィラ(The Floating Seahorse)」の建設を計画している。
ヨーロッパの国々の街並みや文化を取り入れてザ・ワールド(アラビア湾)の中の6つの人工島に再現しようという同プロジェクト。世界最大の水族館を開館したり、暑いドバイで人工の雨や雪を降らせたり、ヨーロッパではおなじみの狭い路地に連なったオープンテラスのカフェなどを建設したりして、観光客を呼び寄せる計画だ。
海上ヴィラは厳密にはボートに分類され、海の中に沈んだフロアと海の上のフロアがある。1700平方フィート(約158平方メートル)の広さで、ドバイコーストからボートですぐの場所に浮かんでいる。販売価格は約130万米ドル。
3つのフロアで構成されており、水面と同じ高さの真ん中の階には開放感のあるリビングスペースと、システムキッチンも完備されているダイニングスペースがある。上の階にはジャグジー、ミニバー、ベッド、屋外シャワーを設置。寝室と浴室は海の中に沈んだ下の階にあり、サンゴ礁に囲まれた海の中での絶景を大きなガラス窓からいつでも楽しむことができる。
水上建築を専門としているオランダの会社Dutch Docklandsは、2011年にプロジェクトに参加した。世界的な金融危機と、埋め立てに使用した砂が海流で流れて人工島が沈んでいるのではないかという疑惑のあった直後だったため、コスト効率もよく安全な投資になるよう求められた。海上ヴィラは海中に設置する前に一度、乾ドック(船舶の製造や修理などの際に用いられる設備)に建てられる。
2015年後半にはいくつかのヴィラがお披露目され、2016年には段階的に完成する予定。