ドバイに今年、「YOKUMOKU(ヨックモック)」に続き、シュークリームの「ビアード・パパ」、北海道生チョコレートの「ROYCE(ロイス)」が進出した。
いずれも世界最大のショッピングモールドバイ・モールに出店し、ビアード・パパ2号店は団地地区Discovery Gardensへの出店を予定する。砂糖を多量に使った甘さが強いスイーツの中で、日本企業の「ほどよい甘さ」が徐々に浸透しつつある。
これまでドバイへの日本産菓子の進出は少なく、欧州に比べ中東地域への距離が遠いことから、輸送期間が長く鮮度が落ちることや、工業国というイメージが強いことから日本産菓子が高く評価されていたわけでない。ドバイでは、英語とアラビア語での原材料表記が必須だが、日本語表記のものにラベルを貼っただけでは味や特性が一目で理解されることはない。
そんなドバイで日本のスイーツが流通し始めた理由の一つには、外国産菓子に対する受け入れと市場が形成されたことにある。ドバイ空港のお土産ランキング1位は老舗「バティール(Bateel)」のデイツ。ナツメヤシ(ヤシの一種)のドライフルーツ「デイツ」は古くから親しまれ、各家庭でも必ず常備されているアラブ菓子の代表だ。次いで人気なのは「パッチ(Patch)」のチョコレート。パッチはレバノン発のチョコレートブランド。路面店1店舗から始まり、本国レバノンのチョコレートというより、ドバイのお土産として定番化している。人気の理由は、豊富な味のバリエーションと豪華なパッケージにある。1粒約500円で売られているものは、指輪でも入りそうなほどの箱にリボンと小さなチャームが付いている。ギフトとしても喜ばれるパッケージが、ドバイに集まる世界中の旅行客に好まれているようだ。
毎月のように店舗数を増やすYOKUMOKUも、日本とは違うギフト用のパッケージを新商品として開発しており、これからバティールやパッチのように、観光客のギフト土産として台頭する可能性も秘めている。