ドバイ・フェスティバルシティモールで3月2日・3日、知的財産保護を目的としたイベント「Spot the difference」が行われた。主催は日本貿易振興機構(ジェトロ)と、ブラザー工業や日産自動車などの26の日本企業から構成される「中東知的財産グループ(The Middle East Intellectual Property Group, ME-IPG)」。
ブラザー工業では、純正品を見分けるためにホログラムを使用したセキュリティーラベルを採用
同イベントでは、日本企業の純正品と、アラブ首長国連邦(UAE)内で実際に販売されていた模倣品を展示。ブースを訪れた人々にスタッフがパッケージの違い、商品にされた印字の違い、どのような場所での購入が適切かなどを説明した。
UAE内では小規模の店舗を構える企業で、過去に模倣品の販売による摘発が行われ、現在も警察等各局で取り締まりが強化されている。模倣品は、実際に企業名や商品名を似せて作っているが、そのほとんどが品質の劣る粗悪品となっている。
ドバイ経済局によると、ドバイ内での模造品の摘発件数は年々増えているという。中には数十億円単位での摘発事例もあり、国として解決すべき社会問題となっている。
ブラザー工業が展示したのはプリンターのトナー。模倣品は実際に外箱デザインをまねて作っているものの、中身は粗悪品。使用されている部品の数、細部の精密さは全く異なる。同社では模倣品との区別を付けやすくするために、外箱にセキュリティーラベルを採用している。会社ロゴが隠れるホログラムを使用しており、同社のウェブサイトでIDの確認もできる。
中東地域でも人気のある日本車に関連した自動車パーツも、模倣品の販売が多く確認されている。日産自動車のオイルフィルターやブレーキパッドなどでも模倣品が出回っており、粗悪品の使用により事故につながる危険性も高いことから、同社では純正部品の使用を促す。