ドバイ・ワールドトレードセンターで4月22日~25日、観光業の展示会「アラビアン・トラベル・マーケット(ATM)」が開催された。25回目を迎える今年は、旅行関連の企業などから4万人以上の来場者となった。
世界最大級の人工島パーム・ジュメイラのアトランティスホテルブース
アラビアン・トラベル・マーケットは、観光・旅行業に関連した事業者を対象にした展示会。アラブ首長国連邦国内外から出店があり、各国の観光局やホテル、旅行代理店などが2500以上のブースを出展した。
今年の見どころは豪華な2階建てなどの展示ブースを構えたホテルエリア。ドバイからもヴェルサーチホテルやアトランティスホテルなどの5つ星ホテルが出展し、VRを使ったプロモーションや軽食などでのもてなしを行った。
日本からは昨年に続き、北海道と京都が「Japan Luxury Travel Alliance」として出展。京都市観光局は旅行者の多様化する要望に応えるために、新サービスをスタートしている。「京都工房コンシェルジュ」サービスでは70を越える伝統産業工房との仲介役となり、興味のある伝統工芸の作業場などを見学できる。着物体験やラーメン作り体験なども外国人向けに行う。
札幌市経済観光局はルスツリゾートホテルと共に出展。京都や東京に比べ、外国人旅行者の認知が低いことから、PRと総客を目的とした。札幌市経済観光局の山村厚史さんは「ドバイも含めた暑い気候の国の方には、夏の北海道もPRしている。他県にはない自然などの魅力をより伝えていきたい」と話した。
東京都は今年初出展となった。インドやロシアなどでのPRは行ってきたが、今後2020年に向けた中東地域のマーケティングなどを目的に参加。東京観光財団の観光事業部次長の田所明人さんは「今年は中東地域の旅行会社なども東京へ招へいし、商談もしてもらう予定。桜のシーズンの人気は中東地域でもあるようだが、それ以外の季節への呼び込みもしていきたい」と話した。「One More Step from Tokyo」という他県と連携したプロモーションとして、中国地方や九州地方、東北地方への旅行案内も行った。
3団体とも注力していたのは、イスラム教徒への配慮。ハラル認証だけではなく、材料の記載やイスラム教徒向けの分かりやすい表記などをレストランやホテルなどに促し、外国人旅行者向けの地図や情報誌も整えている。