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ドバイでデザイン・ウイーク開幕 日本人デザイナーの「過去の自分」映す作品も

ゲートをくぐれば先進的なデザインの数々が並ぶ

ゲートをくぐれば先進的なデザインの数々が並ぶ

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 ドバイの新たなデザイン発信地「ドバイ・デザイン・ディストリクト(Dubai Design District、通称d3)」で10月26日、「ドバイ・デザイン・ウイーク(Dubai Design Week)」が開幕し、アート作品に限らない多様なジャンル(雑貨や家具、空間や都市、次世代技術など)で、先進的なデザインが集まる一大デザインイベントが開催した。

数秒前から今の自分を映す「“いま”の断片」

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 同イベントは今回が初の試みであり、中東のみならず世界中のデザイナーの作品が一般に公開される。

 ムハンマド・ドバイ首長の娘で、ドバイ文化アート庁の副長官ラティファ王女は27日にd3を訪れ、同イベントの開会を祝うとともに、独創的なデザインを生み続けるドバイの役割を強調した。

 d3の会場は7つのエリアに分けられ、それぞれのテーマに沿った展示やイベントが行われている。トレード・フェアを開催するダウンタウン・デザインでは、世界中のブランドが家具やライト、寝室やキッチン、カーペットなどを出展。ドバイ・デザイン・ウイークがパートナーシップを結ぶ、メキシコや北京、ヘルシンキなど世界6都市のデザイン・ウイークからは、各都市を代表する作品が3つずつ展示されている。

 d3の屋外通路には、アラビア語でドアを意味する「アブワブ(Abwab)」と名付けられた中近東6カ国の特設パビリオンが建てられ、地域を代表するキュレーターの作品が来場者を迎える。ヨルダン・パビリオンには、白い布で区切られた空間の中に自動のブランコが5台置かれ、天井から床に投影される映像をブランコに揺られながら見るというつくりになっている。

 設備・装置型の作品を展示する「インストレーション(Installations)」では13の作品を展示。ブラジルの建築家レクエナさんの作品「ラブ・プロジェクト(Love Project)」は、参加者が恋愛体験を語り、その心拍を読み取って3Dプリンターでロゴを作成するといったユニークなものだ。

 同インストレーション部門にアジアから唯一参加しているのは、東京のデザインスタジオ「TWOTONE」のアートディレクターの岩城洋平さん。展示作品の「“いま”の断片」は、6枚の鏡に自分の姿が時間差で映るアート。目の前の鏡はいまの自分を映し出し、残り5枚の鏡がそれぞれ1秒ずつずれて過去の自分を映していくことで違和感を覚えさせ、いまを意識させる。

 岩城さんは「今回、初めて中東で展示したが、特に中東ということは意識せず、作品本来の形をそのまま表現した。おそらく初めて見る作品とあって、参加者は鏡の前で不思議な現象を目にしたような表情を浮かべていた」と話す。鏡の前に立った来場者の男性は「遅れてくる自分の姿が面白い。普通の鏡では背中を見られないが、これだと自分の背中を見ることができる」と目の前で起こる不思議な体験を興奮気味に語った。

 開催時間、入場料などは同ウィーク公式サイトで確認できる。10月31日まで。

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