アラブ初のユニバーサルミュージアム、パリの美術館初の国外進出として11月11日、「ルーヴル・アブダビ」がオープンする。
7850個の星からなるジャン・ヌーヴェルデザインのドーム「Rain of Light(光の雨)」
2007年にアラブ首長国連邦(UAE)とフランスの政府間の合意により開館が決まるとともに、30年間「ルーヴル」の名を使用する権利が付与された。フランス美術館局の株主機関であるフランスの国立美術館、ルーヴル美術館、オルセー美術館、ポンピドゥー・センター、ヴェルサイユ宮殿、ギメ美術館、ケ・ブランラリー美術館、フランス国立図書館、ロダン美術館のさまざまなコレクションから作品が貸し出される。
オープン時には、パブロ・ピカソやレオナルド・ダ・ヴィンチなど名だたる芸術家の傑作の数々が一般公開される。西洋美術だけではなく、イスラム美術や仏教美術、エジプト・中近東の美術まで幅広い作品が展示される予定。喜多川歌麿の作品も展示されることが発表された。
同所の建築デザインは、フランスの著名な建築家ジャン・ヌーヴェルさんによるもので、注目されるのは象徴ともいえるフローティングドーム。重量はパリのエッフェル塔と同じ7500トンで、8つの異なる層で構成されている。アブダビのヤシの木からインスピレーションを受けたデザインは、太陽の光が木漏れ日のように差し込み、美しい模様を作り出すようになっており「Rain of Light(光の雨)」と名付けられている。
建設されたアブダビのサディヤット島はかつて無人島だったが、現在では「芸術と文化の島」として変貌を遂げ、同所のほかに日本を代表する建築家安藤忠雄さんがデザインするアブダビ海洋美術館や、世界で6番目となるグッケンハイム財団の美術館グッゲンハイム・アブダビなどが隣接する。ほかにもリゾート地やゴルフコース、住宅、ニューヨーク大学アブダビ校などがすでにオープンしている。