アブダビのマリオットホテル・ダウンタウンで12月11日、日本畜産物輸出促進協議会による和牛試食会が開催され、アラブ首長国連邦(UAE)で精肉を販売する卸売業者や小売店などが集まった。
同団体による和牛の中東展開が始まったのは2008年から。輸出鑑定業者、生産者らが協力し、国外への販売を促進している。現在の中東市場は、東南アジア、北アメリカ、EUに次ぐ4番目の市場となっており、輸出量も昨年に比べ2倍以上に伸びているという。
同団体の南波利昭会長は「中東地域ではオーストラリア産の「WAGYU」ブランドが広く販売されており、売り込みを始めた当初は和牛が日本産の牛肉だということを知らない人も多かった。肉を焼きすぎる店もあり、和牛肉を使っても脂がほとんど抜けてしまい、その結果硬くて、容量の小さい肉になっていることもあった」と振り返る。
今回の試食会では、和牛を焼きしゃぶしゃぶで、ニンニク入りのオリジナルソースと共に提供。シェフの江口さんが、融点の低い脂や体に有効な成分を含むなどの和牛の特徴を説明した。
和牛についての意見交換会も行われた。精肉店からは、A5ランク以外の肉についても扱いたいという希望もあった。中東地域では、サーロインやテンダーロイン、リブアイなどの特定の部位が流通している傾向があり、南波会長は「今後は他の部位についても積極的に展開していきたい」と話す。
同団体は今月12日~14日にアブダビ・ナショナル・エキシビションセンターで開かれる食品展示会「Sial(シアル) ME」にもブース出展し、和牛の普及を図る。